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備後表の歴史

広島県の沼隈半島とその周辺地域は温暖な気候に恵まれ、古くから畳表の原材料である藺草(いぐさ)の産地として知られてきました。中世から近世にかけては、この地域で生産された畳表が「備後莚(びんごむしろ)」「備後表(びんごおもて)」の名称で記録に残されており、数ある青畳の中でも備後表は最高と言われています。その評判は、織田信長が安土城天守に「畳は備後表に高麗縁」として用い豊臣秀吉を祀る豊国神社に備後表が使用されたこともあるほどです。日本のなかで畳表の産地としては広島県備後地方の他に、熊本県肥後・福岡県筑紫・高知県土佐・岡山県備中・石川県小松などがあります。各々特徴のある畳表が生産されていますが、備後で生産されている備後表の名声が一段と高いのは、昔から御用表・献上表として使用されてきた歴史の重みとその重みに負けない研鑽と努力を重ねてきたからです。

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